*テーマ
今回はANCOU 公式WEBサイトをレビュー。
ANCOUは静岡に伝わる伝統竹細工ブランドで、300年以上の歴史を持つ駿河千筋細工を継承しています。
地元の竹を使った丸竹ひごを職人が手作業で作り、一品一品丁寧に照明器具や小物容器などを制作。
伝統技術×モダンデザインの融合を追求しています
*サイトの目的
ANCOU 公式WEBサイトは、製品とブランド背景を紹介し、オンラインでの認知向上と製品購入や問い合わせへ誘導することを
目的としています。伝統のあるクラフトブランドとしての信頼を伝えることに重きをおいています。
*色彩計画
ベースカラーはオフホワイト(#EBEBEB)ライトグレー(#EBEBEB)を使用してモダンで格式高い雰囲気。
商品ビジュアルの淡いベージュと原材料竹の深い緑がアクセントカラーとして画面に映えます。
落ち着いた印象を全体的に感じながらも濃い黒は逆に使用しないことで
ナチュラルで竹の温かみも感じられるミニマルな印象の配色でした。
造り手の方、デザイナーの方の写真が途中に紹介されていますが、こちらも白黒にするこだわり。
色を増やさないという選択は視覚的に静けさと自然素材への敬意を感じる事ができました。
*フォントについて
シンプルで視認性の高いゴシック体(source-han-sans-japanese, sans-serif)を基本に使用しており、読みやすさ重視。
全体的に統一感があり、竹の自然素材と調和した調和的な印象です。
*サイトデザイン

・ファーストビュー
まず大きく目に入るのは、曲線美が美しいANCOU商品「Ireko Lamp Shade Bk」。
ど真ん中に画面のほぼ3分の1の範囲を利用して配置しており、無駄のない洗練されたデザインが、ANCOUの世界観へ一気に引き込みます。
その右手にはブランドロゴマーク、左手にはナビゲーションが並びます。どちらも縦書きが印象的で、
商品写真とのバランスも良く、和風のテイストを感じさせ、余白を十分にとることで上品に魅せています。
・各セクションについて
製品写真を中心に配置。シンプルなグリッド構造で、製品ごとの美しい竹の質感が際立ちます。
過剰な装飾をせず、大型で高品質な画像を大胆に使い、竹細工の細やかなディテールを一目で伝える構成。
本文は見出し・説明文ともに読みやすく整理され、枠線やボーダーは一切なし。絶妙な余白間がうまく全体の雰囲気と調和するデザインです。
ブランドの歴史や職人紹介ページも設けられており、背景ストーリーと製品を自然に結びつけます。全体的にブランディングとして統一感あり。
モバイル/デスクトップともに視覚の統一性が高く、洗練されています。

一例として「竹ひごのブランド」欄の画像を載せます。自然と一番下の青々とした竹の写真が印象に残る構成となっています。
*所感
ANCOU 公式WEBサイトは、伝統ある竹工芸ブランドとしてのブランドイメージと、ストーリーを明確に伝え、「信頼性」「竹細工にかける熱意」「現代的デザイン」が感じられるWEBサイトでした。
ページ全体が調和のとれた色彩・フォント・構成で統一され、一貫したブランディングがサイト訪問者を丁寧にANCOUの世界観へ引き込みます。
テキストに関しても過剰な装飾をせず、情報を最小限に絞った写真中心のシンプルな構成で製品とその背景に集中させる効果を生んでいます。
”伝統”と”現代性”のバランスが良い、素晴らしいウェブデザインでした。
